平成30年6月川越市議会報告
埼玉県川越市議会 平成30年3月定例会 やべ節 一般質問と答弁
1.自主防災と安全安心の社会づくり
2.通学路の安全性と道路行政
1.自主防災と安全安心の社会づくり
【1回目】
まず自主防災について、各自治会が自助・公助・共助により協働の地域づくりの一端として結成して頂いている自主防災組織の、全国、埼玉県内及び本市における結成状況についてお伺いします。
又、災害時の見廻りや避難誘導者なども考盧されているが、避難補助が必要と思われる人はどの位いるのか。人員の把握方法はどのようにしているのか。プライバシー保護など人権尊重もあり、その対策はどうなっているのか。
しっかりとした把握ができていないと、いざという時の対処が難しいと考える為、現状についてお伺いします。
次に地域の安全、安心に貢献してくれている自警消防隊や消防分団の消防隊員の確保が、年々大変難しくなってきている。そこで事業所の地域防災への協力についてお伺いします。
本市には工業団地として3ヶ所あると思うが、団地内の会社には多くの従業員が働いており、各社内の防災組織で訓練など行っていることも聞いておりますが、消防車を持っている企業があるのかお伺いします。
持っているとしたら自社だけではなく、工業団地全体の防災活動に協力するようお願いすることはできないのか。
年1回の地域の特別点検等に一緒に参加して頂けると地域も認識し得る事と思う。又、消防組合として入れ替えとなる消防車の融通などできないのかお伺いします。
次に安心安全な社会づくりについてお尋ねします。本市において高層建物が増えてきておりますが、防災・防犯監視体制はどのようになっているのか。例えば、川越駅西口市有地利用が決定されたが、監視カメラや防災無線の設置は考えているのかお伺いします。
次に近年、多発している集中豪雨や河川の氾濫に対する警戒情報の発信が大変重要なものとなってきています。東京電力の送電鉄塔を監視カメラや防災無線に利用するのも一つの方法と思うが、これまで県内市での利用は聞いておりませんが、本市で検討したことがあるのかお伺いします。
又、防災無線が日常聞こえにくいという市民の声が多々あります。立地場所による雨や風の影響の違いや家屋の気密性の良し悪し等の理由はあろうが、風雨の強さに関係なく聞こえるよう再点検が必要と思うが、如何かお伺いします。
1-1 全国、埼玉県及び本市の自主防災組織の結成状況について伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
自主防災組織の結成率についてでございます。
自主防災組織の結成率は、平成29年4月1日時点で、全国平均が82.7%、埼玉県が89.8%、本市では76.7%となっております。
1-2 避難行動要支援者の人数とその把握方法について伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
災害時に自力で避難することが困難な高齢者や障害のある人など避難行動要支援者を把握することで、災害時の迅速な安否確認に役立てたり、地域の皆さんのご協力で避難を支援いただくため、平成27年2月に避難行動要支援者避難支援全体計画を策定し、取り組みを進めております。
全体計画では、市が避難行動要支援者の名簿を作成するとともに、平常時から地域へ情報提供することに同意した外部提供用名簿を作成し、自治会や民生委員等へ情報提供しております。
なお、地域への外部提供名簿の更新は年1回実施しており、前回更新時の平成29年8月時点における避難行動要支援者名簿に掲載された方は30,636人、外部提供用名簿に掲載された方は16,430人となっております。
1-3 避難行動要支援者のうち地域への情報提供に同意しない方への対応について伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
避難行動要支援者のうち地域への情報提供に同意しない方への対応についてでございます。
避難行動要支援者本人から同意が得られた場合には、地域の避難支援等関係者に対し、外部提供用名簿を提供しております。また、同意をいただけない方については平常時には情報提供は行っておりませんが、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合には、必要な範囲において、地域へ情報提供が可能となっております。
平常時から市と地域の避難支援等関係者との連携を密にし、災害時における避難行動要支援者への支援が迅速かつ的確に行えるよう取り組んでまいりたいと考えております。
1-4 事業所の中には消防車を所有しているところもあると聞くが、消防特別点検などの機会をとらえて、地域との交流ができないか伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
消防車を所有している事業所の地域との交流についてでございます。
消防組合に確認したところ、消防車を保有している事業所は、法に基づく届け出義務がなく、事業所の判断で保有しているため、消防車の数や保有状況について把握していないとのことでございます。
事業所の自衛消防隊の存在を地域の皆さんにご理解いただくことが大切と考えられますので、川越地区消防組合と連携し、事業所が地域と交流を図れるよう、努めてまいりたいと考えております。
1-5 耐用年数で更新する消防車を消防団などの地域で再利用できないのか伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
耐用年数で更新する消防車の地域での再利用についてでございますが、
消防組合に確認したところ、耐用年数を過ぎた消防車はメーカーの保証期間が経過するため、維持管理費が高額となり再利用は困難であるとのことです。なお、消防団につきましては更新計画に基づき定期的に消防車を更新しているとのことでございます。
1-6 防災用高所カメラや防犯カメラの設置に対する市の考えを伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室、防犯・交通安全課)
防災用高所カメラの設置についてでございます。
消防組合に確認したところ、高所における火災の監視は、立ち上がる黒煙等を発見することはできても、火災地点を特定することは困難であるとともに、119番通報が最も早く火災地点を特定することが可能なため、消防指令センター更新の際に、高所監視カメラの設置を検討しましたが、設置には至らなかったとのことでございます。
また、地震などの大規模災害時での活用につきましては、費用対効果や設置可能場所、監視方法等について他市の導入事例等を調査研究してまいりたいと考えております。
1-7 送電鉄塔を利用した防災行政無線の整備に対する市の考えを伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
送電鉄塔を利用した防災行政無線の整備についてでございます。
防災行政無線は、現在、アナログ方式からデジタル方式に更新するための工事を平成29年度から行っておりますが、それに合わせて、新たな宅地造成により屋外拡声子局が必要となった地域に対しての増設工事も行っております。
本工事後に、屋外拡声子局の増設や移設を行う必要が発生した場合には、他市の導入事例を調査し課題等を整理したうえで、設置する候補地の一つとして設置・管理費等も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
【2回目】
市内には防災関係の監視カメラが設置されておらず、市民の通報による対応であるとの事だが、昨年の台風第21号による水害での対応を見ると、必ずしも適切ではなく、今後、通報への的確な対処をどのようにしていくのかお伺いします。
1-8 台風時など風雨が強く防災行政無線の放送が聞きずらいことへの市の対策について伺いたい。
【答弁】(防災危機管理室)
防災行政無線は、屋外に設置されているスピーカーを通じて拡声報知するものであるため、降雨時や強風時などには放送が聴き取りづらくなることも想定されます。
このため、防災行政無線だけに頼るのではなく、デジタル方式の特性を生かし、市民の皆様がより多くの手段で情報が得られるよう、多様な情報伝達手段を活用して情報発信してまいりたいと考えております。
2.通学路の安全性と道路行政
【1回目】
大阪北部地震により、小学校のブロック塀が崩れ、小学生が亡くなられました。心よりご冥福をお祈りいたします。
これを受けて、文部科学省から緊急点検の要請が出され、その結果を踏まえ、具体的な安全確保策を検討するとの発表がありましたが、本市においては、どのような対応を指示したのかお伺いします。
少子高齢化社会の中で学童の安全確保が叫ばれ、国も県も何回となくその重要性を指摘してきたように、現在の社会情況の中で、通学路対策は大変必要と考えています。
本市の場合、自動車保有台数が平成29年時点で、21万6,134台ある。交通事故件数は、平成29年に9,293件あり、内人身事故1,411件、発生しております。交通安全対策として信号機は402基、カーブミラーは5,974ヶ所あります。
そこで、道路拡幅整備の要望は3年間で何件あったのか。又、特に通学路関係は何件か。そして、整備が完了したものはどの位あるのか。
道路整備にあたり、どのような交付金が活用できるのか。
測量等も終了したのに、整備が進まないのはどのような理由によるのか。
現況道路内でできる安全対策には、どのようなものがあるのかお伺いします。
次に道路行政で道路の不具合や上下水道施設の損傷を、本市ではどのように把握しているのか。道路パトロールは定期的に行っているのか。又、市民からの通報は何件あったのか。
そして、全国の農道に対して、会計検査院の抽出調査では、完成から一度も点検されていない橋やトンネルが、半数を超えているとの報道があったが、本市ではどのようになっているのかお伺いします。
・大阪地方で発生した地震で、小学校のブロック塀が崩れ、女子児童が亡くなる事故が発生した。川越市では小中学校のブロック塀の調査・安全対策はどのようになっているのか。
【答弁】(教育財務課)
小中学校のブロック塀の調査・安全対策についてでございます。
小中学校のブロック塀の調査につきましては、市長および教育長の指示を受け、昨日、各小中学校長あてにブロック塀の緊急点検を行い、本日中に結果を報告するよう依頼しました。点検内容は、高さが2.2mを超えるものがないか、また、大きな傾きや亀裂がないか、などでございます。
安全対策につきましては、調査結果をもとに、今後すみやかに対応してまいりたいと考えております。
【答弁】(子ども政策課)
保育園や幼稚園に対しまして、ブロック塀の調査をお願いしております。
・通学路の安全点検はどのように実施されているのか。
【答弁】(学校管理課)
通学路の安全点検についてでございます。
各学校では、計画的に、通学路の安全点検を行っております。具体的には、登下校指導、家庭訪問時などに教職員が直接確認することや、保護者の「見守り活動」の時に実施しております。併せて、地域からの情報をいただいたときには現地の確認を行っております。
また、生活科や総合的な学習の時間などの地域を学ぶ場面で、児童生徒が地域安全マップづくりを通して、通学路の危険箇所を確認しております。この取組により、児童生徒が日常生活の中で危険な場所を避けるなど、自ら危険を回避する行動が取れるよう指導しております。
さらに、今回の大阪府北部を震源とする地震の発生を受け、改めて教職員が、通学路の高いブロック塀など注意が必要な危険な場所を確認いたします。
2−1 過去3ヶ年の道路整備に関する要望はどのくらいあるのか。その中で通学路に関するものはどのくらいあり、整備の状況はどうなっているのか。
【答弁】(道路街路課・道路環境整備課)
過去3ヵ年における道路整備に関する要望や通学路に関する要望、またその整備の状況でございますが、要望件数といたしましては、平成27年度から平成29年度においては、道路の拡幅や舗装整備などで合計819件の要望を頂いております。そのうち、通学路が含まれる整備要望は、24件でございます。
整備の状況といたしましては、通学路は、道路整備の中でも優先に取り組んでいるところでございまして、現在は24件中3件が整備を完了しており、5件が事業中でございます。
なお、通学路の整備につきましては、整備延長が長いことや以前から進めている事業もあることから完了まで時間を要しているところでございます。
2−2 通学路の歩道整備にあたりどのような交付金を活用しているのか。
【答弁】(道路街路課)
次に通学路の歩道整備にあたりどのような交付金を活用しているのかについてでございます。
本市においての歩道整備につきましては、拡幅要望に基づくものが多いため、多額の費用を要することから、国の交付金制度を活用し、整備を実施しているところでございます。
国の交付金を活用するためには、社会資本総合整備計画に位置付ける必要があるため、埼玉県の策定する社会資本総合整備計画である「埼玉県通学路安全対策の推進」の中に位置付け、防災・安全社会資本整備交付金を活用しているところでございます。
2−3 測量等に着手した中で、整備が進まないのはどのような理由があるか。
【答弁】(道路街路課)
測量等に着手した中で、整備が進まない理由についてでございます。
工事要望書に基づき測量等に着手してまいりましたが、その作業の中で境界を確定することが困難であったり、関係地権者のご協力が得られないことなどがございます。
そのような理由により、長期にわたって合意形成ができないことで事業化に至っていない場合もございます。
今後につきましては、整備の可能性と優先度を見極めながら、最小の費用で最大の効果を生むよう努力してまいりたいと考えております。
2−4 現況道路の中で、整備できるものはどういうものがあるか。
【答弁】(道路環境整備課)
次に、現況道路の中で、整備できるものはどういうものがあるのかということでございますが、例えば、現況道路において路肩が法面構造のような部分につきましては、道路と民地の境界沿いに、擁壁や道路雨水側溝等の道路施設を敷設しまして、道路の路肩部を歩行空間として確保することや車道幅員が広い区間などでは、歩道と車道の間にガードレールなどを設置し、歩行者等の安全確保に努めているところでございます。
2−5 道路の点検状況について、点検は実施しているのか。
【答弁】(道路環境整備課)
次に、道路の点検は実施しているのかとのことでございますが、平成25年度及び平成28年度につきましては、幹線道路の路面の状況を把握するため、ひび割れやわだち掘れの状況を数値化し、舗装修繕を行うための優先箇所を把握する目的として、「路面性状調査」を行いました。
また、市街地においては、幹線道路を主体に平成29年度に路面下の空洞化を把握する調査といたしまして、「路面下空洞調査」を実施しております。
その他の道路を含む市内の道路につきましては、定期的に職員における道路パトロールを行い、道路の路面状況やガードレールなどの施設の状況を確認し、道路の安全確保を目的とした調査や点検を行っているところでございます。
2−6 道路のパトロールはどのように実施しているのか。
【答弁】(道路環境整備課)
次に、道路パトロールの実施状況でございますが、道路管理事務所においては、市内を区分けし、毎日パトロールを行っており、また道路環境整備課の職員においても定期的にパトロールを行っているところでございます。
パトロールの内容につきましては、特に路面のひび割れやたわみ、道路に穴が空いているかなどの確認作業でございます。また、パトロール中に路面のひび割れや穴などが確認された場合は、その場で対応できるものは、補修材や常温の舗装材で対応し、補修範囲が広い箇所につきましては、パトロールとは別の職員が対応しております。
さらに補修が広範囲な場合は、パトロールを実施している職員から道路環境整備課に報告され、工事業者に依頼し対応を行っております。
2−7 道路の不具合に関する市民からの通報は何件あるか。
【答弁】(道路環境整備課)
次に、道路に穴があいていることなどの市民からの通報は、何件あるのかとのことでございますが、市民や利用者等から道路に関する通報は、一日当たり3件程度でございます。平成29年度における通報の主な内容でございますが、道路に穴があいているので補修してほしいが、443件。側溝のふたが破損しているので交換してほしいが、288件。ガードレール等が破損しているので補修してほしいが、 115件などでございます。
2−8 農道の橋の点検はどのようになっているのか。
【答弁】(道路街路課)
次に農道や橋の点検は、どのように行っているのかのご答弁申し上げます。
農道の点検でございますが、農道は、主に農耕を主とした道路であるため、市街地や住宅地を通る道路よりも比較的特定の利用者が通行するものです。
このようなことから舗装がされていない路線も数多く、パトロールの頻度が少ないから、利用者からの要望や通報によって穴埋めや敷砂利等の対応を行っているところでございます。
また、橋りょう点検についてでございます。
長さが2メートル以上の橋りょうにつきましては、平成25年の道路法の改正等に基づき、5年に1回の頻度で点検を行い安全性等について確認しているところでございます。この点検結果につきましては、川越市の橋りょう長寿命化修繕計画に反映し、計画的で、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
【2回目】
本市において道路損傷等の把握は市民通報が主であり、電話による通報の場合、正確な位置や現場の詳細な状況がつかみにくいのではないかと思う。
新聞報道によると道路の不具合等の通報にスマートフォンによる無料アプリを利用している市が増えてきているとのことです。広島県福山市では、道路や上下水道施設の損傷を市民がスマートフォンで写真撮影し、無料アプリを使ってもらい市に通報する制度を始めたとのことです。衛星利用測位システム、GPS機能を活かした正確な位置と写真による迅速な状況把握を補修につなげるとのことです。利用には無料のアプリのダウンロードが必要となりますが、対応が速やかにできるようになり、送信者には対応の結果をメールで報告するとのことで、システム管理など運用経費は年間約220万円かかりますが、安心安全な道路環境に役立っているとの事です。同様のシステムはすでに平成27年から相模原市や宇部市などでも導入されているようです。
例えばこのようなシステムの導入により、日常の道路管理はもとより、特に非常時の情報を含めて手軽に情報が集約できて、いち早く対応できるようになるので、ぜひ、導入するべきであると思うが、如何かお伺いします。
2−9 道路の不具合に関する通報アプリの導入について
【答弁】(道路環境整備課)
ご答弁申し上げます。スマートフォンなどを利用した道路の不具合に関する通報するアプリの導入についてでございます。
スマートフォンなどで写真や位置情報をお知らせいただくことにより、市民からは連絡しやすく、市といたしましても状況の把握や場所の特定がしやすいことから、一定の効果があるのではと考えております。
アプリの導入につきましては、他市の取り組み状況や市内部で関連する部署と調整を図りながら、通報アプリの導入について検討して参りたいと考えております。